私たちの取り組み
R7年度研究主題

現代社会は、AI技術の急速な発展や気候変動、新型コロナウイルスの流行などに象徴されるように、複雑化が進み、未来を予測することが非常に困難な時代となっています。さらに、こうした変化は今後ますます加速していくと予測されています。このような時代において、本校では、生徒たちが社会の課題や変化に柔軟に対応できる力を身に付けることが重要だと考えています。
それはすなわち、「自分自身や周囲の人々、そして社会全体がより良くなるために、何が必要かを考え、自ら行動できる力」を育むことです。
このような力を育成するために、私たちは「エージェンシー」に着目しています。OECDによると、エージェンシーとは「変化を起こすために、自ら目標を設定し、振り返り、責任を持って行動する能力」と定義されています。つまり、生徒が単に教師の指示に従うのではなく、自ら実現したい未来を思い描き、目標を設定し、主体的に行動していく力が「エージェンシー」なのです。
本校では、教科の学びをはじめ、総合的な学習の時間における課題研究や、係活動、実行委員などの特別活動といった、さまざまな場面で生徒のエージェンシーを発揮できる学びの在り方を追求しています。加えて、教師自身も生徒の学びの伴走者として共に考え、共に学びを創り上げていく「教師のエージェンシー」の在り方についても検討しています。
生徒が自らの手で学校の課題を解決したり、行事をより自分たちの望む形にアップグレードしたりする経験は、「自分たちの力で学校を動かしている」という実感につながります。そしてその実感が、社会の一員としての責任感を育み、将来の社会を担うリーダーの育成へとつながると、私たちは信じています。
研究主任 岩田 美穂
研究の歩み
昭和22年 | 新しい中学校の研究 |
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昭和23年 | わが校におけるカリキュラム |
昭和24年 | 新しい中学校の教育計画 |
昭和25年 | 中学校の学習指導① |
昭和26年 | 中学校の学習指導② |
昭和27年 | わが校における道徳教育の構想と実践 〜特別教育活動を中心として〜 |
昭和28年 | 教科指導の再検討① |
昭和29年 | 教科指導の再検討② |
昭和30年 | 放送教育のあゆみ |
昭和31年 | 能力別指導について 学校放送利用の学習指導について |
昭和32年 | 各教科における諸問題 |
昭和33年 | 中学校「道徳」指導計画試案 |
昭和34年 | 道徳指導2年目のあゆみ |
昭和35年 | 教育課程に伴う移行措置の計画と研究 |
昭和36年 | 新教育課程の研究と実践 〜主として教科指導を中心として〜 |
昭和41年 | 学習指導の効率化をめざして |
昭和46年 | 調和と統一のある教育計画の研究と実践 |
昭和51年 | 真の学力の向上をめざす学習指導 |
昭和57年 | 伸びのある学力の向上をめざす学習指導 |
昭和62年 | 学習意欲の喚起をめざす学習指導 |
平成2年 | 個性を生かす学習指導 〜新教育課程の研究と実践〜 |
平成8年 | 探究:21世紀の生活者 〜生活と学習の接点を生かして〜 |
平成11年 | 自分探しを扶ける学校の創造 |
平成14年 | 学びが育つ学習環境デザインの研究 |
平成18年 | 確かな学力を育む学びの探究 |
平成21年 | 義務教育9年間の学びを拓くカリキュラム研究 |
平成24年 | 「学び」の連鎖が生まれる義務教育9年間のカリキュラム研究 |
平成27年 | 21世紀型能力の育成を見据えた義務教育9年間の学びの研究 |
平成30年 | 「主体的・対話的で深い学び」を実現する義務教育9か年の学びの研究 |
令和3年 | 社会で生きて働く資質・能力 〜「質の高い深い学び」の実現を通して〜 |
令和6年 | 未来をひらく 共創する学び手の育成 ~エージェンシーを育む方策を通して~ |